斜視とは

一般的な人の場合、物を注視している際、両目の瞳孔の位置は正面に位置しています。片目の視線が正面から外れてしまっている状態を斜視と呼びます。

斜視になると両目で同時に物を判別する能力が阻害されるため、立体感覚や奥行き感覚が身に付きづらく、その後の成長にも影響が出ます。また、弱視を伴うこともあります。

斜視のタイプ

内斜視

片側の眼が対象物を正面で注視している際に、もう片方の目が内側(鼻側)にずれている状態です。

外斜視

片側の眼が対象物を正面で注視しているときに、もう片方の目が外側(耳側)にずれている状態です。

上・下斜視

片側の眼が対象物を正面で注視しているときに、もう片方の目が上方または下方にずれている状態です。

斜視を放置すると

斜視が起こると、外れている方の目を使わなくなることにより、視力の発達が妨げられ、弱視(眼鏡やコンタクトを装用しても見えづらい状態)に至る可能性があります。

また、成人期には、糖尿病や頭蓋内疾患、頭部外傷などに起因して斜視が起こることもあります。対象物がダブって見える時は、斜視が原因となっている可能性がありますので、お早めに眼科を受診することをお勧めいたします。

斜視の治療

軽度の場合、定期的に眼位検査を行ない、経過観察致します。中等度以上であれば、眼鏡装用や場合によってはアイパッチを装用して頂きます。眼鏡やアイパッチで視力の発達を認めることが多いですが、斜視の程度が強く、視力の発達が認められない場合、手術によって目の位置を修正致します。

弱視とは

ヒトの視力は、生後28日以内の新生児期には非常に低く、その後、成長と共に視力も発達していきます。通常、6歳頃までにほぼ100%の視力が得られることが多いですが、斜視などにより視力が発達せず、眼鏡などで矯正しても適正な視力を得られないことがあります。この状態のことを弱視と呼びます。

ヒトの視力は、発達期において正常な視覚刺激を受けることにより、視覚中枢(後頭葉)が発達し、視力が向上していきます。成長期に何らかの原因により視覚刺激を受けないことにより、視覚中枢が発達しないことにより、視力が向上せず弱視になると言われています。このため、弱視の場合、眼球自体には原則として異常は認められません。

弱視は、早期の段階で治療や訓練を行うことで視力を回復できるケースもありますが、視力の発達にとって重要な時期を逃してしまうと、治療に反応しにくくなります。

弱視の原因

弱視は様々な原因で起こります。主なものとしては、片方の目の位置がずれている斜視、左右の屈折度数の差が大きくてピントが合いにくくなる不同視、まれではありますが先天性眼瞼下垂、先天性白内障などがあります。

弱視の治療法

弱視の治療は、視力の良い方の目をアイパッチで隠し、悪い方の目でしっかりと対象物を見る「遮蔽訓練法」が中心です。さらに、お子様の目の屈折度数に応じて適切な眼鏡度数を装用することも大変重要になります。

なお、弱視を改善するには、定期的に眼科で検査を行い、眼鏡度数やアイパッチの装着時間を適宜調整することが大切となります。治療の途中で通院を中断しまうと、その時点での適切な眼鏡度数やアイパッチ装着時間ではない可能性があり、視力の発達に影響が出る場合がありますので、必ず定期的に受診して頂き、医師の指導を受けるようにして下さい。